ここのところ Volumio2を載せたRaspberry Piで音楽を聴いています。Hifiberry DAC+というDACを使っていましたが、msBerryDacというDACを買ってみました。これらのDACはI2S DACというものでRaspberry Pi のコネクタに挿して使うDACです。数万円の既製品USB DACと比べても遜色ない音が出ます。
Hifiberry DAC+は$30弱という値段ながらびっくりするような音が出ました。とはいえ、ちょっとしたお遊びのような扱いでこれで終わりと思っていました。msBerryDacは約1万円というお値段です。1万円出して取り替えてみる価値があるのかということになりますが、開発者のサイトを見たり、その他、DAC全般についてあれこれ調べているうちに買ってみたくなりました。
msBerryDacの開発者のサイト
http://nabe.blog.abk.nu/dac/msBerryDAC
さらに、msBerryDacは個人の方が制作されているものですぐに売り切れてしまうという入手性の悪さも有名だったのですが、ふと販売サイトを見てみると、在庫があるではありませんか。残りは15個だったので、つい、ポチってしまいました。
結論から言うと、msBerryDacにとても満足しています。はっきり違いがわかります。1万円という値段が絶妙なところです。
msBerryDacに変えると音が良くなるだろうと思って買ったのですが、根拠の一つはクロックです。
DAC全般について言えることですが、クロックのジッター(ゆらぎ)が少ないことが重要です。44.1kHzkでサンプリングされたデジタルデータをもとのアナログ信号に戻すわけですから、クロックの質で音が変わってしまうことはなんとなく素人でも分かります。クロックの質を上げるためにHifiberry DAC+の上位機種であるHifiberry DAC+ PROというボードはRaspberry PiのI2Sのクロックではなく、自前のクロックを使っています。また、AlloというメーカーはRaspberry PiとDACの間に入れることで、DACに高品質のクロックを供給するためのボードを販売しています。このAllo Kali (I2S Reclocker)(https://www.allo.com/sparky/kali-reclocker.html)というボードにもちょっと興味はあったのですが、クロックの高品質化のためにボードを1枚追加するのはどうかなというのと、ちょっと値段が高いような気がしてやめました。msBerryDacも自前のクロックで駆動する方式です。
余談ですが、音源をレコーディングする際にも同じようにクロックの質が問題になるのではないかと思うのですが、ちょっと調べてみると、数十万円から百万円以上するようなクロックを生成するだけのためのクロックジェネレータという機器があって、これをマスタークロックとしてデジタル化しているんだそうです。やっぱりね。
開発者曰く、「HiFiBerry DAC+ PROよりよっぽども音質良いです」というmsBerryDacがどんな音なのか、早速鳴らしてみました。
最初にアデルの「25」をかけた時はちょっとうるさいかなと感じましたが、次にストラビンスキーの「火の鳥」をかけてみたら細かい音がよりリアルに聞こえていい感じでした。5月にラ・フォル・ジュルネで「火の鳥」の演奏を聴いたのですが、それを思い出しました。その後、あれこれ聴いていますが、とても満足しています。どちらかというと、ジャズやクラシックは良くなることが多く、ポップスはさほど変わらないことが多い気がします。