YES – 「こわれもの」「危機」完全再現 11月25日

11月25日のYESのコンサートに行きました。「こわれもの」「危機」の全曲他、Lonely HeartやI’ve Seen All Good People などを生演奏で聴けたことはものすごく貴重な体験でした。メンバーのほとんどは60代半ばですが、一生懸命演奏してました。ただ、100%没入してしばらくぼんやり余韻に浸るという感じではなく、痛々しさも感じるコンサートでした。

確かに行って良かったコンサートでしたが、いろいろな思いを交錯させながら演奏を聴いていました。

オープニングは Close to the Edge でした。メンバーが現れるとファンなら一瞬で分かるあの鳥の鳴き声のサウンドが流れ、「うおーっ」と一気にテンションがあがります。YESを代表する名曲ですから涙ものです。続く、And You And I、Siberian Khatruと聴いていて、いいといえばいいんだけど、なんかちょっともの足りないとも思いました。

やや遅めのテンポでスピード感がないところとか、細かい音符を減らしたり音程を変えたりしないで欲しいとか、キーボードの音が似ているけどちょっと違うんじゃないかとか。

私が初めて聴いたYESのアルバムは「Yessongs」です。中学の時に友達から何気なく借りて、とにかく、ライブでこんなにうまくて精密な演奏するバンドがあるのかと驚きました。以来、何度も何度も聴き、いまでも良く聴いています。ですから、YESのライブといえばあれが基準になってしまうのです。「こわれもの」「危機」はその後で聴いたので、むしろYessongsのライブ演奏がいかにスタジオ録音と変わらないか、いやむしろ上回っているかを確認したようなものです。

ということで、メンバーは皆一生懸命演奏してくれているのですが、ところどころ「ん?」と思いながら聴いておりました。聴いた場所が2階の立ち見席だったせいかもしれませんが、音があまり良くないようにも感じました。ベースが響きすぎていてもっとクリアなほうが良かったんだけどな。

それから、ちょっと曲が難しすぎるのではないかとも思いましたし、あとは、昔の音が耳にこびりついているので違和感を感じるのではないかとも思いました。

その証拠に、最新アルバム Heaven & Earth からの2曲の演奏では、いたって普通のバンドに早変わり。初めて聴く曲でしたが、ポップでいい感じの、それでいてやっぱりYESの曲だとなんとなくわかる曲でした。ボーカルのジョンデイヴィソンの声も新しい曲には合っているように感じました。

ボーカルと言えば、昔の唄を歌うジョンデイヴィソンのボーカルはちょっと感情を込めすぎというか、ああ、やっぱりジョンアンダーソンでないと。。。

続いて、「こわれもの」全曲ですが、なんだか耳が慣れたせいか「危機」よりはいい演奏に聞こえました。

アンコールは、I’ve Seen All Good PeopleとLonely Heartでした。Lonely Heart のイントロ、かっこよかった。

ということで、いろいろ複雑な思いが交錯しつつも、全体としてはいい思い出となるコンサートでした。

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