コジュケイの鳴き声は「チョットコイ」「チョットコイ」と聞き做すことで有名です。そして、呼んでおきながらなかなか姿を見せない鳥であります。
コジュケイは外来種で1915年に東京で逃げ出したのが始まりだそうで、その後も狩猟用に放たれたのでそこらじゅうにいます。家の近所でもずーっと昔から、チョットコイ、チョットコイと鳴いています。声がデカいので家の中にいても、ああ鳴いているな、と思います。
野鳥観察を始めてからもあちこちで遭遇しましたが、まともな写真を撮ったことはありませんでした。とにかく警戒心が強くてすぐに藪の中に逃げ込んでしまうのです。
森の中を歩いていると藪の中でゴソゴソ音がすることがあり、覗いてみるとコジュケイの背中が見えることがよくあります。あるとき、カーブを曲がったとたん前方に歩いているのを見つけたことがあったのですが、すぐに藪に入ってしまいました。偶然、出くわして、ああいるなっと思っても、そーっと近づいてカメラを向けただけで飛んで逃げたりします。
また、こちらが気づく前に突然バサバサッと飛んで逃げて、むしろこっちがびっくりさせられることもあります。とにかく、カメラを構えたり、一歩動いたり、動きを見せるとあっという間に居なくなります。
先日、横浜自然観察の森を歩いているとすぐ脇の藪の中でごそごそ音がしました。見るとコジュケイの背中がちらっと見えました。前を歩いていた人に驚いて逃げ込んだようでした。いつものパターンだなと思いましたが、なんだかゴソゴソいう音がなかなか消えないので、その場で気配を消してじっと待ってみました。
しばらくすると一羽が藪から出てきて歩行路を横断して反対側の藪に消えました。動いたら飛ぶと思ったのでカメラを持ち上げることもできず、身動きできないで立ち尽くすばかりでした。気を取り直してしゃがんでカメラを構えました。しばらくするとまたもう一羽出てきました。と、そこへ散歩のおじさんがやってきました。オイ、オイ、やめろ、こっち来んな、と心の叫びもむなしく、道の途中まで出てきていたコジュケイは飛んで藪の中へ消えました。
これで終わったかと思いましたが、なんと、まだ残っていました。2羽がいっぺんに出てきて道を横断しはじめました。なんとか撮影できましたが、彼らも相当警戒していたようで、途中から飛んで藪に入ってしまいました。
コジュケイ (Chinese bamboo-partridge) ー 横浜自然観察の森
コジュケイ (Chinese bamboo-partridge) ー 横浜自然観察の森
やっと撮れてすっきりしました。これでコジュケイのことはしばらく忘れて他の鳥に集中できます。