GPSはどのようにしてうるう秒を挿入するか

2015年7月1日にうるう秒の調整が行われ、協定世界時(UTC)の6月30日23時59分59秒(日本時間7月1日午前8時59分59秒)の後に1秒が追加されました。

うるう秒挿入の決定はIERS(International Earth Rotation and Reference Systems Service)という機関が行っており、今回のうるう秒調整の決定は2015年1月5日に行われました。

https://hpiers.obspm.fr/iers/bul/bulc/bulletinc.dat

GPSではGPS時刻と呼ばれる時間を使っていますが、GPS時刻はUTCと異なり、うるう秒調整をしません。その代わりにGPS時刻とUTCとの差分が計算できるようになっています。2015年6月30日まではGPS時刻とUTCとの差は16秒でしたが、2015年7月1日以降は17秒になりました。

GPS時刻とUTCとの差を計算するためのパラメータはGPS衛星から送信されるNavigation Data(航法メッセージ)の中に含まれています。GPS受信機は測位する際にGPS時刻を計算しますが、Navigation Dataに含まれるGPS時刻とUTCとの差分情報を使って正確なUTC時刻を出力することができます。

ところで、GPS受信機がNavigation Dataのすべてのデータを受信するのに12.5分かかりますので、あらかじめ、うるう秒調整が行われることを知っていないと、2015年6月30日23時59分59秒(UTC)の後に2015年6月30日59分60秒を挿入することができません。そのため、GPSのNavigation Dataの中には、うるう秒調整の実施日時が記載されています。

以下の記事によれば、2015年1月21日にうるう秒調整の実施日時が地上のコントロールセンターからGPS衛星にUploadされたようです。

http://gpsworld.com/leap-second-implementation-confuses-some-receivers/

GPSのNavigation Dataに含まれる「うるう秒調整実施日時」はGPS週番号とその週の何日目に行われるかという情報です。GPS週番号は1980年1月6日からの週を0として週毎に更新される番号で、2015年6月28日からの週番号は1851です。その週の3日目の終わりにうるう秒が挿入されるので、GPS衛星が送信するNavigation Dataはうるう秒実施日時として週番号:1851と日番号:3というデータを含んでいます。また、それによりUTCとの差が16秒から17秒に変わるという情報も含んでいます。

GPS受信機はこの情報を受信することにより、事前に正確なうるう秒調整の時刻を知ることができます。(23時59分59秒と0時0分0秒の間にうるう秒を挿入することは決まっています。)